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ズバッと!短文で!語る技術

おわりに

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自分の思いを伝えたい。 これは、誰にでもある根源的な欲求です。なぜ、人は自分の思いを伝えるために、これほどまでの情熱を傾けるのでしょうか。
人間にとって、「自分の思いこそ、自分のすべて」なのです。その大切な思いを分かってほしいのです。他人の幸福のためだけに生きることが人生の目的であったとしても、結局は自分の思いのために生きていることに他なりません。この世に生を受けると同時に、人間は自分の思いを伝えつづけ、自分の思いのためにしか生きられない宿命を負っているのです。
しかしながら残念なことに、大切な思いほど、また大切な人にほど、思いは伝わらないことが多いのです。
ところで、日本には古くから「奥ゆかしい」という言葉があり、望ましい生活作法とされてきました。では、奥ゆかしい人とは、自分を主張することの少ない人を指すのでしょうか。
平安朝期に書かれた「大鏡」には、「聞かまほしく奥ゆかしきここち」との記述があり、これは、「聞きたく知りたい気持ち」を意味しています。つまり、「奥ゆかしい=知りたい」との意味なのです。「奥ゆかしい人」とは「もっと知りたい人」、これが転じて、「深い考えがありそうに見える人」との意味があるのです。
私は、ここに、日本古来の大いなる知恵を読み取ります。
奥ゆかしいとは、「伝えたいことほど、くどく伝えようとするな」という警鐘を含んだ言葉に感じられるのです。正確に伝えることと、伝えすぎることはまったく別です。くどく大げさに伝えれば伝えるほど、人は信用しなくなり、あるいは耳を閉ざしてしまい、結果として正確に伝えることが難しくなってしまいます。
大切な思いほど、また大切な人にほど、思いは伝わらないことが多い。この悲しむべき事態を解決する究極の手段が、「短文で語る技術」です。あなたの大切な思いを、あなたの大切な人に伝えるためには、長々と話すなど「伝え過ぎ」は禁物です。ここに、「短文」が、その威力を発揮する場があります。こんなときにこそ、「短文で語る技術」を大いに役立てていただきたいのです。
と言う私も、実は会話となるとつい一言多いために、いままでどれだけ多くの失敗を重ねてきたか数え切れないほどです、思い出すだけでも赤面してしまうような失態も少なくありません。しかし、「短文」には絶大な効果があることも、また数多く体験し、実感してきました。
この1冊の本を読了し、また「短文で語る技術・1分間トレーニング」を通じて、あなたの「短文力」は、確実にアップしているはずです。いま手中に収めつつある「短文で語る技術」をぜひ活用され、あなたのコミュニケーション力がさらに磨かれることを切望しております。
本書では、実際の商品に使用されているキャッチフレーズなどを使用記載させていただきました。その文言の正確性には万全を期したつもりですが、万一間違いを発見されましたら、また、ご意見ご批判ご相談などがありましたら、ご一報いただけると幸いです。
 本書の執筆にあたりまして、花王出身のコピーライターを中心に、多くの方々にご支援いただきました。紙面を借りまして心よりお礼申し上げます。

平成17年夏

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