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ズバッと!短文で!語る技術

序章

はじめに | 目次 | 序章 | おわりに

1.─────
短く語るほど、会話は研ぎ澄まされる

話し上手になるための第一条件は、「分かりやすい話ができる」ことです。話が分かりにくくては、会話の目的を果たすことができません。しかし、理解してもらおうとするあまり、説明が長くなってしまうのはかえって逆効果です。

長い話は
分かりにくいことが多い

のです。
長い話はなぜ分かりにくいのでしょうか。実は、話が長いから分かりにくいのではなく、分かりにくいからその分さらに説明しようとして、ますます長い話になってしまうのです。
自分のペースで長々としゃべることほど、本人にとって楽なことはありません。しかし、聞き手にとってはこんなに迷惑なこともありません。逆に短く語ろうとすれば、分かりにくい話が許されない緊張感が生まれます。
インターネット通販モール最大手の楽天では、毎週月曜日8時から800人の全社員を集めて朝会が聞かれます。朝会での発言は持ち時間1人30秒という原則が貫かれています。
なぜ30秒なのでしょうか。
インターネットビジネスはスピードが命なのです。他社が1年かかることを1ヶ月でやる気構えが重要で、無駄な時間をなくすことを全社員に徹底しているからだと三木谷浩史社長は力説しています。発言するためには、30秒で言えるように事前に準備しておく必要があります。「短文で語る技術」はこのように、短時間で言いたいことを言い終えるための武器としても、たいへん有用です。
毎日あなたが見るテレビCMは、ほとんどが15秒か30秒です。その中で数量的に多いのは15秒CMです。

15秒あれば
最低限言いたいことが伝えられる

からです。テレビCMの制作者たちは、この15秒という短い時間でいかに効率的に伝達するかという技術を磨き、また競い合っています。
このように短く語ることは必然的に分かりやすい話になる要素を兼ね備えており、短く語るほど話の内容が研ぎ澄まされる傾向があるのです。


2.─────
短く語る努力が、「話し上手」に直結する

短く語る効用は、分かりやすさだけではありません。短く語れば語るほど、結果として相手に長時間話す機会を与えることが可能になります。自分が話すときは短く、相手の話は相手のペースに任せる。このような実践の中から何が生まれてくるのでしょうか。
いちばんの効用は、

あなたの話が大切にされる

ことです。
長たらしい話は聞きたくない、というのは誰もが抱く心情です。長い話は嫌われ、短い話は大切にされる。これは古今東西、変わらない会話の原則です。
聞くときはじっくり、話すときは短く分かりやすく。いつもこのように心がけていると、不思議なことが起こります。
あなたの周囲にも、2つのタイプの方がいると思います。長々と話をする人。人の話はじっくり聞いて、自分の話は短めに分かりやすく語る人。この2つのタイプの人に対して、あなたはどのような感情を抱きますか。
そうです。いつも長々と話す人は避けられる傾向があり、反対に、聞くときはじっくり、話すときは短くというタイプの人は好かれる傾向があるのです。
短く語る努力を続けていると、必然的に相手の話をじっくり聞くことになり、あなたの話を聞きたい人が増えてくるのです。あなたの話を聞きたい人が増えることは、あなたがより多くの人に好かれるようになったことに他なりません。昔から言われるように話し上手は聞き上手であり、また話し上手は好かれ上手でもあるのです。本当の話し上手とは、短めに分かりやすく語れる人であり、また逆に短めに分かりやすく語る努力が話し上手に直結していくのです。
ところで短く語るとは、早口で語ることではありません。テレビCMの中には、詰め込めるだけの音声メッセージを詰め込んで、早口でしゃべりまくっているものを見かけます。15秒や30秒といった時間で伝えられる情報量には限界があります。人と人とのコミュニケーションについて語るとき、話せば伝わる、言えば分かるという誤解ほど恐ろしいものはありません。分かりやすく話したつもりでも伝わらないことが多い。何回話しても伝わらないこともある。これが現実です。

だからこそ、1.できるだけ短く、2.できるだけ分かりやすく話す必要があるのです。
可能な限り短い時間で、言いたいことを伝えられることが、コミュニケーションの最大のポイントです。そのための武器として、

「一瞬で分かる短文」が
クローズアップされる

のです


3.─────
時間と文字数を制限してトレーニングする

では、1.短く、2.分かりやすく話せるようになるためには、どうしたらいいのでしょうか。「一瞬で分かる短文」が駆使できるようになるためには、どうしたらいいのでしょうか。
短期間で話し上手になるためには、それにふさわしい

お手本を見ながらトレーニングするのが
一番の早道

です。
では、どのようなトレーニングがもっとも効果的なのでしょう。
私は秋田県出身ですが、スキーを本格的にやり始めたのは社会人になってからです。そして、少しは上達したかな、と思えるようになったのは競技スキーのまねごとを始めてからのことです。アルペン競技では、旗門と旗門の間を通過しなければならないという制限を受けます。ここを滑らなくてはならないという制限が、上達につながるのです。
話し上手になるためのトレーニングでも、同じことが言えます。ただ漫然と練習をしていても短期間での上達はおぼつきません。
では、話し上手になるための制限トレーニングとはいったい何でしょうか。ひとつは、10秒、20秒といった短い時間で言いたいことを伝えるトレーニングです。そしてもうひとつが「短文を作成する」トレーニングです。
10秒、20秒は時間の制限であり、短文は文字数の制限です。これらの制限の中から工夫が生まれ、制限に挑戦し続けることによって短期間での上達が可能になるのです。

◆ ◆ ◆ ◆ ◆

新人社員に望む能力の筆頭に「コミュニケーションカ」をあげる企業が6割を超え、ダントツの第1位になっています。優れたコミュニケーション力なくしては、ビジネスでの成功はあり得ないからです。プライベートの側面でも同じことが言えます。意志の疎通がうまくいかなくては、良好な交遊関係すら成り立ちません。そのとき、あなたの強い味方になるのが「短文で語る技術」であり、「一瞬で分かる短文」なのです。


4.─────
「キーワード」を素早く見つけ出す

「一瞬で分かる短文」には、必ず中核になる大切な言葉「キーワード」が含まれています。ときにはキーワードそのものが「一瞬で分かる短文」であることも珍しくありません。話し上手になることは、必要に応じて「一瞬で分かる短文」を駆使して語れることであり、そのためには「キーワード」を素早く見つけ出す力が必要になります。 では、キーワードを素早く見つけ出すためにはどうしたらいいのでしょうか。キーワードは、伝達すべきもっとも大切な内容のなかに含まれています。

伝達すべき、もっとも大切な内容は何か。

この選別、すなわちコミュニケーションの優先順位の選別が実は最重要なのです。 本書では、この選別能力そして「一瞬で分かる短文」を駆使できるようになるための課題、「短文で語る技術・1分間トレーニング」が設けられています。 これらの課題は熱意さえあれば、短時間で終えることができ、しかも「短文で語る技術」が確実に習得できるように設計されています。次のような構成になっていますので、ぜひ最後までトライしてください。


★課題の構成

  1. 課題文を読む
  2. キーワードを見つける
  3. 「短文」を作成する
  4. 自分の問題点を発見し、次の課題にいかす

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